「医療観察法」を巡り葛藤する人々を描く 演劇作品 Pカンパニー『闇の中に』上演
人はわからないものを恐れる
吉祥寺シアターでは6月3日(水曜日)~8日(月曜日)にPカンパニー第47回公演『闇の中に』を上演します。本作は、「医療観察法」という制度の中で葛藤する加害者や被害者、その家族、双方の再生を支える人々の姿を描いた作品です。脚本は、数々の演劇賞を受賞してきた劇作家・演出家の内藤裕子(演劇集団円)による書き下ろし。登場人物たちを「ひとりの人間」として描き上げることで、触法精神障害者をめぐる理解と共生のあり方を問い直します。
作・演出 内藤裕子コメント
私たちにとって触法精神障害者は、いつも暗闇の中にいて、姿を見ることも、理解することもできない存在なのではないだろうか。理解できないもの、見えないものを私たちは恐れる。しかし、明るい光の中で「その人」を見つめれば、理解できる「ひとりの人間」として姿を現すかもしれない。司法と医療のはざまで生まれた「医療観察法」は、誰のために作られ、誰を救っているのだろうか。ある殺人事件が起こる。被害者の遺族には、事件について公判に参加して意見をいうことも、心情を伝える機会もない。犯人が、心神喪失者とされ、不起訴とされたたためだ。被害者の遺族と加害者の家族の苦しみは、そこから新たに始まる。そして、対象者と呼ばれるその人の苦しみも。そのそばにいて支える人たちの事を私たちは知らない。
公演概要
- 公演名
- Pカンパニー第47回公演『闇の中に』
- 日程
- 6月3日(水曜日)~8日(月曜日)
- 場所
- 吉祥寺シアター 劇場(武蔵野市吉祥寺本町1丁目33番22号)
- 料金
- 一般 6600 円/シニア割(65歳以上)5500円 ほか
あらすじ
ある街で、通り魔殺人事件が起こる。
しかし加害者・岡田絢音は心神喪失と判断され、不起訴となる。被害者・松本里奈の遺族である道子には、公判に参加して意見を述べる場も、悲しみや怒りを伝える機会も与えられない。突然理不尽を突きつけられた遺族の苦しみは、癒えることなく続いていく。
一方で、加害者の家族・弘江もまた、世間の視線や自責の念に苦しみながら生きていた。そして「対象者」と呼ばれる絢音自身も、自らの病と犯した罪のはざまで、孤独と混乱を抱え続ける。
絢音が入院する医療病棟には、対象者たちに寄り添い、更生を支えようとする医師や看護師、社会復帰調整官らの姿がある。しかし彼らもまた、「医療観察法」という制度の中で、救済と責任、治療と監視のはざまに葛藤していた。
それぞれが傷を抱えながら生きる中で、絢音は閉ざされた闇の先に、一筋の光を見出すことができるのだろうか。
内藤裕子 プロフィール
劇作家・演出家。昭和50年、埼玉県春日部市生まれ。演劇集団円所属。平成13年演劇集団円会員昇格。14年「green flowers」旗揚げ。18年から劇作を開始。 丹念な取材に基づいた作品の創作、丁寧な筆致で描かれた家族劇で評価を受ける。21年、土田英生作『初夜と蓮根』で演出デビュー。
| 平成26年 | 演劇集団円『初萩ノ花』(作・演出)にて読売演劇大賞優秀作品賞を受賞 |
|---|---|
| 令和2年 | 演劇集団円『光射ス森』(作・演出)にて第65 回岸田國士戯曲賞ノミネート |
| 令和4年 |
演劇集団円『ソハ、福(ふく)ノ(の)倚(よ)ルトコロ』(作・演出)にて第57回紀伊國屋演劇賞個人賞受賞 エーシーオー沖縄・名取事務所共同制作『カタブイ、1972』にて第26回鶴屋南北戯曲賞・第10回ハヤカワ「悲劇喜劇」賞受賞 |
Pカンパニー
平成20年、木山事務所(故・木山潔主宰)の所属俳優・スタッフが中心となって設立。「小さな演劇」の演劇的文化の可能性を探りながら、常に世界と時代とを見据えた演劇創りを念頭に、混迷した演劇界に、小さくとも輝きのある一石を投じるチームでありたいと願っている。現在は、別役実(べっちゃく みのる)作品の継続的な上演と、《シリーズ罪と罰》と銘打った社会問題を演劇的に問いかける作品の上演を二本柱として作品創りに取り組んでいる。「P」はplay・performance・produce・progressive・professional・prime・popular・pure・passion・poem・protest・peace……メンバーひとりひとりが、それぞれに描く「P」の集合がPカンパニーです。
クレジット
- 作・演出
- 内藤裕子(演劇集団円)
- 出演
-
上杉陽一(演劇集団円)、水野ゆふ、内田龍磨、森源次郎、茜部真弓(プロダクション・テアトル・エコー)、吉岡健二、千葉綾乃、木村愛子、須藤沙耶、山田健太、河野芽依、福井みなみ
- 主催
- 株式会社Pカンパニー
- 協力
- 吉祥寺シアター(公益財団法人武蔵野文化生涯学習事業団)
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この記事に関するお問い合わせ
(公財)武蔵野文化生涯学習事業団 吉祥寺シアター 担当:溝上
- 電話:0422-22-0911
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